園長の言葉 ・園だよりより・
*'23 園だより12月より*
2023-11-29
小春日和のある日、なんとカマキリの共食いの場面に遭遇した子ども達がいます。
見つけた時は「お相撲しとる」と思った子もいたようですが、次第に「食べられよる」と気付きます。「なんで食べるんだよ。こらっ!」と食べられているカマキリに味方した子もいました。入れ替わり立ち替わり見に来た子どもの中に、共食いの理由をお父さんから聞いて知っている子がおり、その子が「メスのカマキリは、子どもを産むためにオスを食べるんだよ」と言ったのです。驚きの事実を教わって、皆から「えーっ」と声があがりました。年少児花組の子が、葉っぱで触ろうとすると、年長児光組が「それはしないんだよ」と制止するなど、命の現実を見守ろうとする厳粛さが子ども達に広がりました。年中児愛組の子は、ミニトマト栽培の時から観察用に常備している虫眼鏡を使って、大写しでその場面をのぞき込むことができたようです。驚きの光景だったことでしょう。
カマキリのオスは、食べられながらも交尾が可能であり、交尾に時間をかければかけるほど、自分の子孫を残すことが確実になるのだそうです。長く交尾を続けられる手段として、メスに捕食されるのだそうで、文字通り命がけで子孫を残すと聞きます。
子ども達が出会ったのは、厳粛な自然の摂理でした。
見守っていた子の一人が「オスを食べるんだから、ちゃんと卵を産まないと困るよ!」とメスにエールを送ったそうです。子どもには事実を事実として受け止めた上で、その姿と意味を大切に受け入れる豊かな力が備わっているのだと心打たれます。
十二月は、神が人を愛されている証として、ご自分の命を使われたイエス様の誕生をお祝いする期間です。聖劇の歌や台詞の練習を通してイエス様の理解を深めます。年長児光組が礼拝当日語るメッセージは、「神様からあなたに願われていること」に心を置きました。園舎に子ども讃美歌が満ちています。子ども達が作り上げるクリスマス礼拝当日までの道のりに、子ども達の感性の深まりと成長に出会います。教師は感謝しつつ子どもとの日々を歩んでいます。どうぞ、お子さんの心と身体の安定にご協力をお願い致します。
園長 角田 郁美

*'23 園だより11月より*
2023-10-27
収穫感謝の日が間近となりました。今年は、夏の高温が作物の実りに影響していると聞きますが、幼稚園のさつまいもはどの程度育っているか気になるところです。出来が良くても悪くても、作物に感謝し皆で分け合える喜びの日にしたいと思います。
さて先日の運動会では、多くの皆様に足を運んでいただきありがとうございました。ご親族の応援を頂くことで、いつもに増し力が出せた子が多かったと思います。
目標に向かう日々で体と頭を動かす活動を重ね、子ども一人一人は大きく成長し、変化した姿を観て頂けたことと思います。
幼稚園のホームページ(保護者のページ)に当日の写真を載せましたのでご覧くださると嬉しいです。
運動会当日の子どもの一生懸命さに、私も教師たちも心を掴まれたのはもちろんですが、運動会があけ、その後の子どもたちの様相にこそ感動させられています。子ども達が、まるで日常のことであるかのように、さっそうと跳び箱や鉄棒の技に取り組む姿をたくさん見るからです。光組の中には、練習カードが二枚目に入る強者もいるくらいで、じぶんの立てた目標に向け挑戦し、技と心を磨き続けているのですから、感動せずにはいられません。また、遊ぶ時間などに、運動会ダンスの音楽がかかると、クラスに関係なくどのクラスのダンスでも嬉々として踊っている姿があり、皆がどのクラスの踊りでもできてしまうことに、驚きと大きな喜びを感じます。
これらのことは、子ども達にとっては、決して運動会がゴールではなかったことを物語っています。運動会は結果ではなく成長への過程なのだと、私達は改めて知るのです。
秋の深まりとともに、次の活動が、精神の深まりにつながることを願いながら教師は子どもと歩んで参ります。
園長 角田 郁美

*’23 園だより10月より*
2023-09-28
彼岸花は、季節の約束のようにこの時期になると芽吹きます。幼稚園にも決まって花を咲かせる場所があり、鮮やかに美しい秋の色を輝かせています。
朝晩はようやくしのぎやすくなってきましたが、日中は秋とは名ばかりで年々暑さが長引く傾向にあるようです。運動会に向けて、朝から体操がある日は子どもも教師も体力のいるところです。今年の暑さは特に厳しく、出来るだけ日陰で過ごせるように、第2運動場にはテントを常備して対応しています。
また、季節の変わり目でもあり、寒暖差も体力を消耗させますので、体調を整えるためには運動会当日まで、ご家庭でもどうぞ無理のないスケジュールで過ごしてくだるようお願いします。
さて、関東大震災以降9月は、全国的に防災意識を高める時期でもあります。めぐみ幼稚園も定期的に各種の防災、防犯訓練をしています。9月6日は地震訓練をし、22日は第1園舎を火災に見立てた避難訓練をしました。この避難訓練では、火災報知機を鳴らして大きな音が出ることもあって、子ども達は一気に緊張の面持ちとなります。煙を吸わないように口をハンカチで押さえ、粛々と幼稚園下の公園まで逃げる練習をしました。職員も緊張感をもって臨み、通報模擬訓練も行います。今回はつぼみ・希組も加わって、第2園舎からの避難を経験しました。災害等が無いに越したことはありませんが、備えとして毎年訓練を行うことで、万が一の時に役立つことを願い、今後も引き続きブラッシュアップしながら続けていこうと思います。
7月に行った、防犯訓練、交通安全教室、及び9月の地震訓練については、ホームページ「保護者のページ」に載せていますのでご覧ください。
園長 角田 郁美

*’23園だより9月より*
2023-08-25
メディアが連日のように「危険な暑さ」と伝え、熱中症予防を呼びかけていたこの夏休みを、皆様どう過ごされたでしょうか。
紫外線も、気温も、そして時間もあまり気にせずに外で遊んでいられた時代と比べると、現在は、気にかけなければならないことが増えてしまい残念です。
でも子どもにとって、夏休みの何とも言えない解放感やワクワク感は、昔も今もあまり変わらないように思います。
日常から解き放たれたからなのか、日の出が早いからなのか、ゆっくりしていい日なのになぜか、起こされなくてもぱっちり目覚めてしまった経験は、皆さんもおありでしょう。こうして子どもは、一日がたっぷりあると感じ、何より自由!と感じているので笑顔にならずにはいられません。
モンテッソーリ教育では、「自由とは、子どもが望むものをすべて与えることではなく、限られた範囲の中で自由を与えること」と考え、自由と自制(自律)する両面の力をバランスよく習得することに向かって人格化を目指します。自分をコントロールできずに自分自身が危険である場合、或いは他人を傷つける場合は、おとながきちんと止める必要があるのです。
マリア・モンテッソーリが述べている、「この世に存在するすべてのものは互いに両面を持ちつながりあっていて、そうしたつながり(=制限)の中で生きている」という言葉は私には、この世の真理のように思われます。
さあ、二学期です。親子で頑張って仕上げられた「夏の生活表」への取り組みが、自由を謳歌しながら手に入れた自己コントロールの力となって、二学期の始まりを後押ししてくれることでしょう。
園長 角田 郁美

*'23 園だより7月より*
2023-07-04
豊作だった梅の実で、今年も梅ジュースが出来あがり、過日、昼食時に皆で分け合って飲みました。梅味のジュース初体験の子どももいます。匂いをかいだり、ちょっとずつ口に含んだり、あっという間に飲み干したりと、子ども達の反応は様々でした。中には苦手な子もいますが、大半は「美味しい!」という感想でした。
また、梅雨のあいま、夏日の暑さになる日は、昼遊びの砂場に水を入れて泥んこ遊びに興じています。靴を脱いで(泥んこから靴を守る為もあって)裸足になり、水たまりに入っては「いい気持ち~」なんて言って、ひんやりした水と、足裏のくにゅくにゅした感触を楽しんでいます。
こうした季節の楽しみを、体験できる自然環境の豊かさは、めぐみ幼稚園の自慢です。
黒々としたダンゴムシを見つけて、一番大きいダンゴムシを手放せなくなっている子、太く長いミミズを捕まえたのを見せたくて、入れ物代わりに逆さまにした傘の中に入れて、自分はちょっと濡れながら登園する子、毎日のように目に入った花や葉っぱをカバンに入れて持ち帰る子、、、戯れながら得ていく、命との出会いを満喫している姿があちこちにあります。
物静かに、子ども達に寄り添い、その命で語ってくれる自然の大きな力は第二の保育者です。感謝すると共に、私たち保育者もその懐の広さに近づきたいと学ぶ日々です。
園長 角田 郁美
