園長の言葉 ・園だよりから・
*’25園だより7月より*
2025-06-24
雨の週と晴れの週が交互のようにやってきて、体調を整えるのが難しい中にあっても子どもたちのお休みが殆どなく、嬉しい日々です。保護者の皆様が生活リズムを整えてくださっているおかげと感謝しています。
さて最近、昼遊び時間などに愛組と光組の様子を見ていますと、彼らがその手に「二つ折りのカード」を持っている姿が目にとまります。愛組は水色の「体操カード」、光組は黄緑色の「 練習カード 」です。光組の方が先にスタートさせており、既にページを追加する人がいるくらい頑張っています。いろんな先生から「 すごい! 」などと声をかけられている光組さんを目にしていた愛組ですが、最近自分たちもそのカードを手にしたので、嬉しくて張り切っています。
カードには、それぞれの年齢に応じた体操の動きが身に着くように、自主的な練習への誘いが書かれています。光組のカードには加えて、キーボードの練習も積み重ねられるようにしてあります。そして先日、組体操の技もメニューに加わり、光組も新たなやる気スイッチが入っています。
毎年、このカードで磨かれるのは技だけではありません。技を磨きながら、実はその子の内面にある精神が磨かれていくのです。あきらめずに継続し努力する子、お友達のシールの数に触発される子、誰かの励ましが嬉しい子、クラス以外の教師や職員にも「見てください」と満足げにカードを携えてくる子の姿。この一枚のカードには、子どもの成長につがる、幾つもの「励まし」が詰まっています。
にこにことカードを差し出す子の表情は、いつも誇らしげです。
園長 角田 郁美

*’25園だより6月より*
2025-05-29
今年も各クラスで芋の苗植えを致しました。その様子はホームページ(保護者のページ)に載せましたのでご覧くださると嬉しいです。今回はいつもの芋畑ではなく、砂場横や門扉周りの花壇を使ってこじんまりと植えました。今後第二園舎の解体など工事が随時始まる予定となり、園児の安全のためには、芋畑までの通行を停止せざるを得ないからです。でも今回の場所は、いつも子どもが通る所ですので、自分の植えた苗もよくわかり、これまで以上に愛着が湧くようで、横目でチラチラ見てはニコニコしています。
秋の実りが楽しみですが、植えられる苗の本数に限りがありましたので、例年並みの収穫は難しいでしょう。持ち帰る分の確保ができないとなれば、園で分け合って食べることになるかもしれません。少ないものを分け合う喜びを、皆で分かち合いたいと思います。また第二園舎の今後についてはPTA総会にて、理事長がご説明いたしますのでぜひご参加いただければと思います。
さて、光組の『幼児祝福式』が六月に行われます。
誕生してから今日までの成長を神様に感謝し、今後の健やかな成長を祈る式です。
先日光組は牧師先生から、イエス様は子どもを近くに呼んで抱き上げ祈ってくれた、そのことが「祝福」だと聞きました。子どもたちは式に備え、神様とお話したい言葉を考え練習しています。一人ひとりが祈りの言葉を語り、牧師先生から祈っていただきます。子どもたちとご家族の祝福の時です。
「光の子として歩みなさい」
(エフェソの信徒への手紙 五章八節)
これは、祝福の記念に色紙(しきし)に書かれる聖句です。牧師先生からは、光組さんも誰かに「こっちにおいで」と言って、「あなたは大事な人だよ」とギューッと抱きしめて、お祈りしたら「光の子として歩む」ことになるんだよと、この聖句についてもお話がありました。聖句の横には大きく広げた子どもの手形が押されています。生まれた頃の写真や手の大きさと比べ、我が子の成長を実感する式となることでしょう。子どもの等身大の祈りに真摯に心を合わせ、ご出席の方々も祈りを捧げる時としてください。
園長 角田 郁美

*’25園だより5月より*
2025-04-28
つつじが見ごろとなってまいりました。早くも夏日になったり、翌日は上着が要りようになったりと、調整が難しい季節の変わり目です。
園では、新入児の花組さんも含め、全員の二時降園が始まりました。園児がそろい賑やかな五月のスタートです。
入園・進級からひと月になろうとしていますが、新たに出会った担任の居場所を気に掛ける様子などから、すでに頼りにしていることが分かり、関係ができてきたと言えます。
さて、この時期のトピックスは、何と言っても光組と花組のお世話関係が始まったことでしょう。お互い名前も言えるかどうかという始まりですが、先日おこなった対面式では、もう体を寄せあって写真に納まっていました。花組が光組に心をひらき、信頼を示す一日目です。(対面式の様子は、ホームページにありますので、見ていただけると嬉しいです。)花組から信頼を得られ頼りにされた光組は、実にかいがいしくなります。つかず離れずの距離で遊んだり、どこにいるかいつも気にかけたりします。時には助けすぎて、「○○ちゃんが難しいところだけ手伝ってあげてね。」と教師から、やんわりとくぎを刺されることがあるほど一生懸命になります。手出し、口出しの難しさは、保護者の方も日々感じておられるかも知れませんが、それと同様に、光組はお世話さんとの関係がうまくいったりいかなかったりの体験を重ねながら、対応の加減を習得していきます。「花組に受け入れられる助け方」を学びながら、年長児として、相手を知り・コミュニケーションの方法を知っていくことで、驚くほど成長していくのです。花組さんは時として、教師の言うことより、お世話さんの言うことに素直になりますので、教師も光組の力をたびたび借ります。お世話関係の結びつきの強さや、努力している光組の美しい姿に出会って、教師たちは何度もほほえましく思い、感動する日々が続きます。
園長 角田 郁美

*'25園だより4月より*
2025-04-03
三寒四温を繰り返して春が訪れるのはいつものことなのですが、気温のふり幅が大きすぎて体がついていけない、というのが近年の特徴となりました。三月の最高気温更新とか、すでに夏日だとか、山林火災の多発とか、、、人間活動への警鐘でしょう。
それでも桜前線は春を連れて下関にも訪れ、見ごろを迎えています。幼稚園も春色になりました。坂道の公園には、自治会の方が丹精しているアーモンドの花や桜、菜の花に加え、毎年子ども達のためにと、こいのぼりがたくさん連なって風に、はためいています。
その坂を上って毎年最初にやって来るのは、準備保育に参加する新入園の子どもたちです。初々しい人たちのことを思って冬に植えたチューリップが花開いて、歓迎するように迎えました。
この準備保育は子どもと教師と園舎が出会う大切な時です。脱いだ靴はどこに置くのか、上靴はこうして履くのよ、上靴袋を入れる引き出しがあるんだよ・・・幼稚園のたくさんのお部屋も探検しましょう・・・ほら、こうして歩いたら足音がしないね、戸の開け方はこうするの・・・子どもたちは興味深く、実に神妙に教師の動きを真似ていきます。大人気の「くさり山」を初体験するのもこの時です。
準備保育は三日間のわずかな時間ですが、前日に体験したことを次の日にはしっかり吸収し、自分のものにしてしまう子どもの学ぶ力を感じて驚きます。
子どもたちの一日はかけがえのない一日です。その積み重ねが、振り返れば燦燦と輝く一年になることを心より願っています。
園長 角田 郁美

*'25園だより3月より*
2025-02-21
幼稚園にたどる坂道の、そのあがり口に早咲きの桜の木があります。寒風の中、その枝いっぱいにつぼみが膨らんできました。このつぼみがほころび始めると、めぐみ幼稚園の卒園・進級の時が来たね、と祝されている思いになります。
卒園が間近になると、教師は終礼の時間に、光組の子の入園時から今に至るまでの成長を分かち合い、更なる成長を祈る時を持ちます。一日数人ずつの子どもについて話し、祈っていきます。毎年恒例になっていることですが、とても貴重で豊かなひと時です。
中でも大切にしているのは、子ども達が神様から頂いている宝についての分かち合いです。卒園式で子どもが言う言葉について、その言葉に落ち着くまでの担任とのやり取りを聞き、その後、各教師が日常の関わりの中で感じているその子の素敵なところについて話します。先生方の発見した良さやエピソードを聞きながら、入園してきた当時の姿が蘇り、子ども達の成長を改めて感じます。皆なんて美しい宝を神様からもらっているのだろうと思いますし、これからもその宝を大切にして、自分のために、そして誰かのために使い続けてほしいと思います。
誰かの喜びになったその力は、ブーメランのように自分に戻り、一歩も二歩も前向きな成長のエネルギーとなって帰ってくることでしょう。
どの子も、その子らしく生きていけますようにと祈り続ける、卒園・進級の時を迎えます。
園長 角田 郁美
