園長の言葉 ・園だよりより・
5月巻頭言
2021-04-28
子ども達はこれまで私を「角田先生」と呼んでいましたが、園長になってからは律儀に「角田園長先生」と呼び直してくれる子もいます。呼ぶ方も呼ばれる方も慣れないでいるうちに、つつじの頃となりました。春から初夏へと季節は向かっているのでしょう。ただ、急に二〇度を超えたかと思うと、上着を着ないと寒い日があったりで 季節の変わり目は気まぐれです。ゆるやかに季節が移ろうことが少なくなり、ふり幅が大きいのは近年の特徴のようで、体調管理が難しいところです。
さて、4月の巻頭言で、幼稚園のホームページから 人格の実り について書きました。今月はそのサークルにある「自分を育てる力」について考えてみたいと思います。
子どもには、この力が生まれながらに備えられるのではないかと思います。動けるようになると、見えた物に突進し、何でも外に掴み出し、そして手で触り、口で確かめます。子どもの内面には、自分がどんな動きをすれば成長するのかが、すでに組み込まれているかのようです。時におとなが困るようなことであっても繰り返し、集中しないではいられない様々なことがあるようです。
こうして子どもは内面の欲求を満たしながら「自分を育てる力」に置き換えているのでしょう。めぐみ幼稚園の「お仕事」の時間はそのことの為に設定されています。こうした衝動とも思える要求が、満たされれば満たされるほど、「自分を育てる力」に成り、落ち着き、優しく人のことにも力を使えるようになるのでしょう。それが更に確かな「生きる力」に成るのです。
二度と現れないこの特別な時期「敏感期」を大切にしたいと願っています。
園長 角田 郁美

4月巻頭言
2021-04-12
入園、進級おめでとうございます。心よりお喜びを申し上げます。
様々な花が咲く美しい季節となりました。春になって一番に幼稚園に来てくれるのは、準備保育の新しい花組さんです。彼らのことを思いながら冬のうちに植えたチューリップが今、花盛りとなって、初々しい新花組さんを先日迎えました。
幼稚園は新しい体制でスタートを切りました。それぞれの持ち場でスタッフ一同、新学期に向けて準備万端整うよう、抜かりがないように連日打ち合わせ、幼稚園の中も外も、環境を整えました。進級してやってくる子ども達の笑顔を楽しみにして、待っているところです。ただ、一度整えた環境も、子ども達の実際の動きに合わせて、よりふさわしい形へと変えていける柔軟性が、私達スタッフに求められることの一つでしょう。
めぐみ幼稚園のホームページを開くと、園舎の写真を囲んだ○と→の図があります。その一つである 人格の実り には、「自分を育てる力」「決断する力」「柔軟な心」を習得し「主体的に生きる力」を子どもが持てるよう教師が働きかけるという主旨のサークルがあります。子どもにそのような力が実るよう、教師は、子どもを愛し、信じ、祈りながら、毎日の保育に当たります。また全スタッフがそれを支える覚悟です。
今年度も、どうぞよろしくお願い致します。
園長 角田 郁美

3月たよりより
2021-03-01
聖書で、神様がこの世に一番初めに創られたものは何かご存じですか?
昨日、久しぶりに手に取った本「天の光」という写真集に、こう書かれていました。
『初めに、神は天地を創造された。
神は言われた。「光あれ。」 こうして、光があった。』
(創世記一章 一節~)
全ての始まりは、「光」なのだと改めて考えさせられました。ここでは
光=太陽としているのだと思いますが、私は「希望」と捉えています。
暗闇の中で一点の光が見えたとき、人は自然にその光の方へ導かれ歩み始めます。不安だった暗闇の中から、一気に安心と希望が生まれます。悲しいことや苦しいことが起きたとき、傍にいる人から適切な言葉があると慰められ、また頑張ってみようと奮起し、沈んだ心に希望が生まれます。そうした時「言葉」は「光」だと思うのです。光が体に当たるとポワ~と温かくなると同時に心も温かく穏やかな気持ちになります。私たちおとなは、子どもたちに「光」を照らし続け、穏やかな心や希望を与え、子どもが前進しようと思う気持ちに沿える「言葉を使う者」でありたいと願います。
人間は生まれながらにして良いものを選択する思いが内在していることに驚かされます。というのは、子どもたちに、良い例と良くない例を話すことがありますが、教師が未だ教えていない、子どもたちは初めて聞くことでも、良い例の方を選択します。子どもの時に既に、人は正しいと思うこと、美しいと思うことは、迷うことなく選択する心が内在しているのです。それは、神様から与えられているものなのだと思います。
四月から、子どもたちは進学、進級と新しい世界へ進みます。正しいと思うことをこれからも選び続けていけると信じています。そして、自分を取り巻く友だちに、自分が持っている「光」を照らし続けてほしいと願っています。
園長 宮川美代子

2月たよりより
2021-02-01
「 わたしは まことの ぶどうの木 あなたがたは その枝である。
人がわたしに つながっており、 また その人と つながっていれば、
その人は 豊かに実を結ぶ。」
この聖句は、めぐみ幼稚園が大切にしている理念の土台になっています。そのため、幼稚園には色々なところで「ぶどう」を見ることができます。通園帽子に着ける園章バッジ、新園舎にあるステンドガラス、卒園式、式次第の表紙デザイン等などです。
私はこの聖句で、「つながる」という言葉に大切な意味が込められていると思っています。まずイエス様と私のつながりの土台があり、子ども同士のつながり、子どもと教師のつながり、子どもと保護者のつながり、保護者同士のつながり、保護者と教師のつながり、というように、縦と横のつながりが人を豊かにさせてくれるという大切な事実です。一方的なつながりでは意味がなく、お互いが相手を思い、つながりたいという願いが大切だということです。人とのつながりが多いほど、楽しいこともあれば、辛いこともあります。子どもたちの世界にも、日々様々なことが起こり、友だちと話し合いを要することが出てきます。プンプン怒っていても話し合いの場にいこうとする気持ちは、相手を受け入れようとする気持ちであり、そこから平和を作り出すことにつながっていくと思います。めぐみの子どもたちは、同年齢は勿論、自分より小さい友だちのことを考えられる優しい子どもに育ってくれていることに感謝しています。お世話を通して、他の人のためにも力を使えることができることは素晴らしいことです。イエス様が、そのままの私たち(子どももおとなも)を受け入れてくれているように、私たち教師も微力ながら、子どもたち一人ひとりをそのままの在り方で受け入れ、考えを否定せず、子どもがしたいこと、しようとしていうことを大切にしています。あと一か月で卒園していく光組。ひとり一人、豊かに結んだ実を、胸に抱き旅立ちます。これからもずっとイエス様とのつながりがあること、そして平和を発信できるものであることを願います。
園長 宮川美代子

1月たよりより
2021-01-13
やさしい目が きよらかな目が
きょうも わたしを 見ていてくださる
『まっすぐに 歩きなさい』 と見ていてくださる
これは、クラス礼拝で子どもたちと歌ってきた讃美歌です。ゆったりと穏やかな曲で私の好きな讃美歌のひとつになりました。「まっすぐに歩きなさい」という歌詞に込められているもの・・・ 自分で決めたことに自信をもち、前を見て一歩一歩進んでいきなさい。先にも、後ろにもそして横からも、いつも神様が見ているよ、という思いが込められていると思います。
園では、自分で考え、選択する生活場面が度々あります。自分自身の事、友だちとの関わりでの事、教師から提案される事など選択と決断を求められる場面です。今までため込んできた経験や知識を総動員し、子どもはまず考えます。そして選択し決断します。子どもは決めたことに向かい、努力を始めます。もし決めたことに対して否定され、考えさえ聞いてもらえないことが度々あるとするなら、子どもの思考力や意思力は低下し、日々の生活も無気力になってしまうでしょう。確かに自分で決めた通りにできることもあれば、話し合いの中で自分の考えは間違っていたことに気付き、新たに考え直すことも度々起こります。それにより子どもの決断視点は豊かに、精神は器用になります。成長と呼ばれる姿が明確になっていくのです。
まっすぐに歩むための土台です。その力を持って、神様にいつも見守られていること、愛されている存在であることを知り、自分も友だちも大切に歩んでほしいと願っています。
2021年、保護者の皆様ともこれらの理念を共有し歩みたいと、教職員一同願っております。どうぞよろしくお願いいたします。
園長 宮川美代子
